FC2ブログ
鈴木と間宮>
            
<div id=
2020/04/02

一緒に……

一緒に……

「うん、美味い!」
「だろ? 鈴木さんの飯、最高だよなぁ」

次の日の夕飯は鈴木特製の間宮父に合わせたメニュー。
サバの味噌煮に筑前煮、胡瓜のぬか漬けに茄子のお味噌汁、そして白いご飯。
間宮父はそれを満足そうに舌鼓を打っている。そんな姿に鈴木もホッとした。

「昨日はあんなことがあったというのにうちの息子が無理させてその……体は大丈夫ですか?」
「え……?」
「な、何言ってんの? 親父」
「おかげで寝不足だ。もう少し壁の厚いところに引っ越した方がいいんじゃないか?」

鈴木は昨晩の情事の声を間宮父に聞かれていた事を知り真っ赤な顔をして後ろに倒れそうになっているのを間宮が支える。

「あはは。前向きに検討します……」


「鈴木さん」
「はい」

間宮父は食べ終えると箸を置きその場に正座をした。鈴木も間宮父の正面に正座をする。

「こんな至らぬ息子ですがどうか末永くよろしくお願いします」

鈴木は間宮父の言葉に言葉を詰まらせる。

「こちらこそ大事な息子さんを……僕なんかに……。申し訳ございません。本当に。本当に……」

鈴木は眼鏡を外すと指で目尻の涙を拭き再び眼鏡を掛ける。

「こちらこそよろしくお願いします」

そう言うと畳に手をついて頭を下げた。そんな鈴木の隣に間宮が胡坐をかいて座ると鈴木の頬にキスをした。

「もう……。お父様がいらっしゃるのに」

真っ赤になる鈴木に「あの声聞かれてるのに今更でしょ?」と言った。
恥ずかしいのかそんな間宮に背を向けて体育座りで膝に顔を埋める鈴木に間宮父はフッと笑った。

「母さん達にはまた私からそれとなく伝えておくから。鈴木さん、美味しい夕飯をどうもありがとう」と言って間宮父は実家に帰って行った。

「間宮くんのお父様……素敵な人だったな」


【きっと間宮くんもあんな感じで年を重ねていくのかな?】


「ちょっ、鈴木さん。親父の事好きになったりしないでくださいね? 鈴木さんはもう俺のものなんだから」
「あはは」

間宮は鈴木を後ろ抱きにする。

「ねぇ、鈴木さん」
「ん? なんだい、間宮くん」
「マジでもう少しいいところに引越ししませんか? もっと壁が厚くてお風呂付のところ」
「……そうだね」
「んで一緒に暮らしましょう」
「……え?」

え?と言う鈴木の顔を間宮は思わず覗き込む。

「"え?"ってなに? "え?"って」
「う……ん」
「このままお隣同士っていうのも楽しいですけどやっぱり俺は鈴木さんと一緒に居たいです」
「……」
「鈴木さん」

間宮の方を見るとその手には化粧ケースに入ったペアリング。

「俺と一緒に居てくれませんか? これからもずっと……。俺のそばに」
「間……宮くん」
「受け取ってくれる……よね?」

鈴木はブルブル震えつつ下を向く。

「本当に……いいの? 僕なんかで」



にほんブログ村 BL・GL・TLブログへ
にほんブログ村
 

小説(BL)ランキング

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL恋愛小説へ
にほんブログ村


小説TOPへ戻る
<<前に戻る - 74 - 次へ進む>>
関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント